前回、専用カメラモジュールの接続から基本的な使い方までを書いた。
で、折角専用カメラモジュールを使えるようになったのだから、何か作りたい。
何を作るか?やっぱりカメラなんだから監視カメラ?
それもよいのだが、この場合、
外部ネットワークからアクセスできるようにする
必要がある。
これ自体はおいおい実現していく予定だが、まずはもう少し手軽な所から。
ということで、ラズパイと専用カメラモジュールで
レンズ型カメラ
を作ってみる。
[2018/03/17 追記 ここから]
私の場合、この時点で既に apache2 と php を
インストールしている、という状態であった。
が、これらがインストールされていないと、
後述する RPi_Cam_Web_Interface のインストールに失敗する。
また、専用カメラモジュールが接続されていない状態で
インストールしても失敗する模様。
よって、本記事の以降の文章では、
インストールに必要な条件を追記する形で修正した。
[2018/03/17 追記 ここまで]
■必要な設定
レンズ型カメラは、レンズ部分だけのデジタルカメラ。
プレビュー画面等はスマホ側で見る。
レンズと液晶部分(スマホ)を分離できるため、
いろんな撮影が楽しめる、というもの。
こういう奴。
こんなの出来合いのものを買わないと無理、なんて思っていた。
が、ラズパイと専用カメラモジュール、
そしてスマホがあれば実現できる!
今まで実現しようとして結構苦労して来たのだが、
今回は超簡単に実現する方法を記載する。
ラズパイで実現しないといけない機能は以下の二つ。
以下、各々について記載する。
WiFi アクセスポイント化
こちらは既に、
の方で記載済み。
よってこれを参考に設定してもらえればと思う。
*なお、上述の方法は OS が Raspbian Jessie の場合である。
*Stratch の場合にはそのまま適用できないことにご注意頂きたい。
なお、カメラを接続したラズパイとスマホが
同一ネットワーク
にあるなら、これは必須ではない。
ただ、実際に利用する場合には、
ラズパイを WiFi アクセスポイントにして置いた方が、何かと都合がよい。
また、実際の製品も WiFi アクセスポイント機能を実現しており、同じ状態を作りたい。
よって、ここでは WiFi アクセスポイント化しておく。
事前準備
WiFi アクセスポイントにしたら、
次はカメラ映像にアクセスできるようにする。
過去、何度かチャレンジしたのだが、
motion でも motion-mmal でもうまく設定出来なかった。
*基本的にはカメラモジュールの v4l2 ドライバが
*使えないままで色々やったからだと思う。
他のサイトを見ると、/etc/modules に
bcm2835-v4l2
と追記し、再起動すれば該当ドライバが使えるようになる模様。
その上で、
pi@raspberrypi$ sudo apt-get install motion -y
とすると、motion を利用したカメラ映像へのアクセスが可能となるとのこと。
ただ、これでやっても、映像をキャプチャする方法が
今ひとつよく分からなかった。
そこで、色々調べてみると、
・インストール
・映像の静止画・動画撮影
共に超簡単に出来る方法を発見。
具体的には、
RPi-Cam-Web-Interface
http://elinux.org/RPi-Cam-Web-Interface
を利用するだけ。
ただし、これを使うためには、
・専用カメラモジュールをあらかじめ接続しておく
・http サーバーをインストールしておく
・php もインストールしておく
ということが必要。
よってまずは、
RPi-Cam-Web-Interface をインストールする前にやっておくこと
を記載する。
まずは、専用カメラモジュールの接続。
これは、
に従って接続しておけばよい。
私はこれをやっていなかったが故に、
インストール後にエラーが出っぱなしになる、
という状態に陥った。
よってきちんと接続しておく必要があることに注意が必要。
続いては http サーバーのインストール。
今回は apache2 を選択。
なお、RPi-Cam-Web-Interface 自体は
lighttpd、nginx でも対応可能の模様だが、
これらは試してないので、ひとまず apache2 でいく。
インストール自体は非常に簡単。
まずはリポジトリのアップデートを行っておく。
pi@raspberrypi$ sudo apt-get update pi@raspberrypi$ sudo apt-get upgrade
続いて、apache2 自体をインストール。
pi@raspberrypi$ sudo apt-get install apache2 -y
インストール後、ブラウザで
http://localhost
にアクセスし、Debian のデフォルトページが表示されれば OK。
こちらに関しては、
を見ていただいてもよいと思う。
そして最後は php のインストール。
現在 php は 7.1 とか出ている模様だが、
とりあえず現時点では参考情報があった
5.6 でインストールした。
pi@raspberrypi$ sudo apt-get install php5 php5-cli php5-gd php5-pgsql php5-mysqlnd php5-mcrypt php5-dev -y
ひとまずこれで事前準備は完了。
ライブカメラ化
最後はいよいよ、RPi-Cam-Web-Interface をインストールし、
ライブ(監視)カメラにしていく。
はじめに、git から必要なファイルを取得する。
pi@raspberrypi$ git clone https://github.com/silvanmelchior/RPi_Cam_Web_Interface.git
なお、git を利用出来ない場合は、あらかじめ
pi@raspberrypi$ sudo apt-get install git -y
でインストールしておこう。
無事ダウンロードが終了したら、RPi_Cam_Web_Interface ディレクトリに移動。
pi@raspberrypi$ cd RPi_Cam_Web_Interface
最後に、インストールスクリプトを実行する。
pi@raspberrypi:~/RPi_Cam_Web_Interface $ ./install.sh
すると、以下のような初期設定の画面が出てくるので、諸々設定する。
一番上の Cam subfolder は、
ブラウザ経由でカメラ画像にアクセスする際のフォルダ名
にもなる。
変えたければ変えればよい、という程度。今回はこのまま。
Autostate は自動起動するかどうか。Yes を選択。
*ただし、私の場合どうもうまく自動起動してくれない場合があった。
*その場合は /etc/rc.local の exit 0 より前に、
*/home/pi/RPi_Cam_Web_Interface/start.sh
*と、start.sh が存在するディレクトリを含めた
*フルパスを記載しておけばよい。
Server は利用する Web サーバーを選択。
今回は事前準備で apache2 をインストールしているので、
apache
を選択。
このソフトでは、Web サーバーを立て、そこからカメラ画像を配信する。
続いての user と password は user 認証用。
Basic 認証のようなので、安全性は高くないが、
誰でもいきなりアクセスされないようにするためには、設定して置いた方がよい。
jpglink は・・・、よくわからんかったのでとりあえずこのまま。
php は、インストールした php のメジャーバージョン番号を選択。
今回であれば、php 5.6 をインストールしているため、
5
に変更しておく。
で、了解を選択すると、各種のインストール作業に移る。
インストール作業が終わると、以下のように、開始するか?と聞かれる。
当然、はい、を選択。
インストールは以上。超絶簡単だった。
■基本的な使い方
インストールが終われば、すぐに利用可能になる。
ということで、早速使ってみる。
まずはブラウザを立ち上げ、URL フィールドに
http://IPAddress:Port/Subdirectory
の形式の URL を入力する。
今回の場合であれば、
http://192.168.0.1/html
となる。
*Port はデフォルトの 80 番の場合、省略可能。
実際の画面はこちら。
先ほど設定した user 名とパスワードを入力すると、以下のようになる。
画像下にある
『record video start』
をクリックすると動画撮影が、
『record image』
で静止画撮影が可能となる。
スマホから見る場合には、
スマホをラズパイの WiFi アクセスポイントに接続し、
同様の作業を実施すればよい。
なお、撮影した画像や動画は、/var/www/html/media 以下に保存される。
*デフォルトでは静止画が jpeg、動画が mp4 で撮像される模様。
これで、無事レンズ型カメラ化が実現できたことになる。
■まとめ
今回は、ラズパイのレンズ型カメラ化を実現。
WiFi アクセスポイント化した後、
専用カメラモジュールを接続し、
apache2、php、及び RPi_Cam_Web_Interface
をインストールするだけで、超簡単に実現可能。
モバイルバッテリーでラズパイを起動するようにすれば、
外出先でも使える!
1 万円程度で、世の中に売っているレンズ型カメラと
同様の機能を実現できるのは、やはり超楽しかった。
・RPi_Cam_Web_Interface をインストールする
・Web ブラウザ経由でラズパイのカメラ画像にアクセスする
・静止画、動画も撮影可能
・スマホからアクセスすることで、立派なレンズ型カメラに!
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