過去最低の応募者数 – 情報処理安全確保支援士試験 –


■過去最低の応募者数 – 情報処理安全確保支援士試験 –

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2018 年 9 月追記
2018 年秋期の状況を踏まえて、最新の情報は
過去最低を更新 – 情報処理安全確保支援士試験の応募者数 –
に記載しているので、こちらも参考にしていただければうれしい。
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久々の情報処理安全確保支援士ネタ。

平成 30 年春期試験まで、後一ヶ月ちょっととなった。

そんな最中、IPA から応募者数の公表があった。

プレス発表
平成30年度春期情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)試験
および情報処理技術者試験の応募者数について
https://www.ipa.go.jp/about/press/20180309.html

公表によれば、今回の応募者数は、23,180 名とのこと。

前年同期比で 92.2% らしい。

1 割とはいわないが、結構減っているという印象を受けた。

ちなみに、前回となる平成 29 年秋期試験の受験者数は、

23,425 名で、これと比べると微減とも言える。

が、登録者数も含め、最近結構減少している印象があったので、

情報セキュリティスペシャリスト時代を含め、

過去の応募者数を振り返ってみた。



ありがたいことに、本サイトでも紹介している、

情報処理安全確保支援士試験ドットコム

において、過去の統計情報が記載されている。

http://www.sc-siken.com/sctoukei.html

これを見る限り、

・今回の応募者数は過去最低を更新

という残念な結果となっている。

また、平成 29 年春期試験までは、

情報セキュリティスペシャリスト試験時代も含め、

応募者数が 25,000 名を下回ることはなかった。

一方、前回の試験から、応募者数は 23,000 名台と、

過去最低の更新が継続されている。

前回と今回の差はほとんどないと言っても過言ではないが、

前々回以前の試験では、最低でも 25,130 名と、

25,000 名台以上となっている。

直近二回の試験では、明らかに、

・応募者の段階で減少傾向にある

といえるだろう。



しかしながら、実際の受験者数や、合格者数、という意味では、

過去の試験と遜色はないといえるかと思う。
*今回の受験者数がどうなるかはまだわからないが。

その意味では、

・応募者数の減少は特に大きな問題ではない

という見方もできるのかもしれない。

が、私自身はあまりそうは思っていない。

やはり、

情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)

という資格自体の人気に陰りが出ているのだと思う。

平成 28 年より、支援士試験よりも内容的に容易な

情報セキュリティマネジメント試験

が出来たこともあり、そちらに流れた可能性もあるかと思ったが、

情報セキュリティマネジメント試験ドットコム

における統計情報

http://www.sg-siken.com/sgtoukei.html

を確認させていただいた所、こちらの応募者数は

およそ 20,000 名前後で特に大きな増減はない。

やはり、情報処理安全確保支援士試験の人気自体が

低下しているのではないかと思っている。



なぜ、そう考えるか。

理由はこれまでも書いてきたとおり、

・明確なメリットが存在しない

・維持費が高い

というこの二点に尽きると思う。

私が受験したのは、平成 29 年度春期試験。

情報セキュリティスペシャリスト試験から、

情報処理安全確保支援士試験となった、最初の回であった。

私個人としては、

・自分の実力を客観的に提示できる指標の一つ

として、この資格を受験していた。

そのため、

・情報処理安全確保支援士試験合格者

となったことで、目的自体は達成されたと考えている。

ここで、もし、

・資格の維持に必要な維持費が安い

または

・維持費を上回るメリットがある

という状態であれば、当然のごとく登録したと思う。

が、残念ながら、現在の制度では、

・登録手続きが非常に煩雑

・登録費用として二万円程度必要

・登録後、維持費として三年で十五万程度の費用が必要

という状態であり、金銭的な負担は非常に大きい。

では、それを上回るメリットがあるか、と言えば、

今のところ目に見えているメリットとしては、

・情報処理安全確保支援士という名称の独占利用

・各種ロゴマーク等の独占利用

・登録維持に必要な最新の講習受講

ができるぐらい。

では、これらは本当にメリットと言えるのか?

合格から一年たった今、少し振り返ってみたいと思う。。



まず、名称の独占利用に関して。

正直いって、情報処理安全確保支援士であることを

名乗れないことによるデメリットは一切感じなかった。

むしろ、

・情報処理安全確保支援士試験合格者だ

ということで、ほぼ、

= 支援士

と認識される。

もちろん、都度、

「登録してないので支援士ではないです」

と説明はしているが、実力的に差異を感じる人はいない。

例えば政府系のシステム導入等で、支援士であることが

入札条件になっている等の場合であれば、合格しただけで

登録していないことはデメリットになるのであろうが、

私のように、そういった制約条件のないセキュリティの

仕事をしている人間にとっては、支援士を名乗れないことに

伴うデメリットは一切感じていない。

また、履歴書や、名刺への記載に関しても、

IPA 自身が FAQ の

『7. その他』
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_09faq/_index_faq.html

『名刺等への書き方を教えてください』

の項目にて、

平成 29 年度春期情報処理安全確保支援士試験 合格

というような書き方はできる、と明言している。

なので、正直、何のデメリットもない、と思っている。

次に、ロゴマークの独占私用に関して。

これも、はっきりいって何のデメリットもない。

使える状態であっても多分使わないだろうし。

そして最後は最新情報を取り入れた講習受講に関して。

既に登録された支援士の方々のブログなどを見ると、

・オンライン講習の一つは IPA が公開済みの文書・ツールの紹介

・集合研修はいろんな人と知り合え、意見交換ができて有益

という声が多いように思う。

集合研修に関しては、確かに有益かもしれず、

これを受講できない、というのはデメリットかもしれない。

が、今まで別にそんなの受講しなくても業務上問題はなく、

あくまでプラスアルファの部分であろうと思う。

また、最新の情報、という意味では、大体日々セキュリティに

携わっていれば、情報収集は当たり前に行うこと。

ということで、わざわざ講習で受けなくとも、と思う。

そう考えると、やっぱりメリットがまるでないようにしか思えない。



では、情報処理安全確保支援士試験というのは全く意味がないのか?

矛盾するように思えるかもしれないが、私はそうは思わない。

私が「まったくもってメリットが見えない」と思っているのは、

・高い維持費を払いつづけながら登録すること

である。

試験を受験すること、及び合格することには、

それなりにメリットがあると思われる。

というか、費用対効果は十分によいと思える。

まず、試験を受験するだけでも、結構メリットはあると思う。

というのも、

・そもそも受験費用は 5,700 円程度である

・さすがに受験するとなると、それなりに勉強する

というのが非常に大きいからだ。

受験費用に関しては、学生バイトでもおそらく日給より安いだろう。

社会人なら、飲み会を 1、2 回我慢すれば捻出出来るレベルだ。

参考書や問題集を 2、3 冊購入したとしても、

1,5000 円以内で十分に収まる。

セキュリティ人材不足が叫ばれる昨今、

1,5000 円程度の自己投資で、セキュリティの実力を

客観的かつ永続的に示せる状態になるのであれば、

安いものだと思う。

また、さすがに試験となると、それなりに勉強するだろう。

これも非常に重要だと思う。

自分ではそれなりに知識があると思っていても、

出題範囲がそこそこ広いため、どうしても弱点は出てくる。

試験勉強を通して、

・自分はどこが強く、どこが弱いのか

を把握するだけでも、非常に有益だと思う。

加えて、

・弱いところを強くする

ということまで出来れば、自分自身の実力向上に繋がるのである。

もちろん、学習で知識を得ただけで通用するほど甘くはない。

が、知らない、分からないという状態よりも、

知識としては知っている

という状態の方が、経験を得るにも非常に有益であると思う。

しかも、不幸にして不合格になったとしても、

・学習によって知識は増えている

・半年後には再受験可能である

・再受験時の費用は、試験費用+会場までの交通費程度である

という状態なので、正直ほぼデメリットは無いに等しい。
*再受験費用はデメリットだが、払えない額ではない

ということで、受験するだけでも十分なメリットがあると思う。



受験するだけでもメリットがあると述べたが、

合格できれば、そのメリットはさらに大きくなる。

先にも書いたが、まず、

・情報処理安全確保支援士試験合格者

を名乗ることができる。

履歴書にも名刺にも書けるので、対外的に自分の実力を提示できる。
*「少なくともそれぐらいの実力はある」ということを、だが。

実際問題として、これで支援士同等と認識される。

わざわざ登録し、高い維持費を払わなくとも、

現実的に支援士相当の実力を持っていると認められるのである。

つまり、

・登録費用や維持費を払わずとも支援士同等となれる

ということだ。

維持費を払わなくてもよい、というのは非常に大きなメリットだ。

また、仮に業務上等の理由で登録が必要となったとしても、

今のところ、何年後であっても登録手続を行うことができる。
*登録自体は半年に一度なので、タイムラグは発生するが。

さらに言うと、現時点で業務独占はないため、

・情報処理安全確保支援士でないと出来ない仕事

はほとんどない。

一方で、セキュリティ人材不足が叫ばれる昨今、

・国家資格保持者と同等レベルの実力を持っていることを示せる

というのは、セキュリティの仕事をするに当たっては

それなりに有利に働くとは思われる。

よって、合格しておけば、

・支援士とは名乗れなくとも、同等の実力を提示できる

というメリットが得られる。



これまで長々と書いてきたが、制度開始から一年経った今でも、

・情報処理安全確保支援士となるメリット

が全くと言っていいほど見えてこないのが現状である。

メリットが見えないだけならよいが、

・維持費が高い

というデメリットは明々白々だ。

そうなれば、

「情報処理安全確保支援士になりたい!」

という人が減っていくのは、火を見るより明らかだろう。

そして今回の応募者が、前回に引き続いて低い状態を

継続しているのが、それを表していると言えるのではないか。

このままだと、

・試験を受けても費用がかかるだけで何のメリットもない

という誤認識だけが拡散し、資格の価値はどんどん衰退していくだろう。

制度を設計した経産省には、本当に真面目に考えて欲しい。

2018 年 3 月現在で、情報処理安全確保支援士の数(登録者数)は

7,000 名前後

となっている。

この人たちが、資格を維持するために、三年で 14 万という

維持費(講習受講料)を払いつづけたとしたら、

経産省または IPA には、

・三年で 9 憶 8000 万円 -> 年約 3 憶 3000 万円

という収入が入ってくる。

もちろん、講習費用の更新や集合研修の費用などもあり、

純益ではないとはいえ、非常に大きな収入ではあろう。

そしてまた、直近での登録者数はもう少し増えるだろうから、

この定常的な収入はさらに増えることにはなる。

だが、このままメリットがないという状態が続くと、

登録を取り消す、または講習を受講せずに更新しない、という

登録者も増えてくるはずである。

そうなると上述の収入も減るのである。

そういった点も鑑みて、今一度制度のあり方を見直してほしい。

一方、セキュリティの資格に興味のある方にとっては、

この情報処理安全確保支援士試験というのは、

それなりに有意義な試験ではないかと思う。

前述のとおり、受験に向けて勉強するだけでも有益だし、

合格すれば、支援士同等と公にも名乗ることが出来る。

さらに言えば、

・合格するだけして、登録しない

という選択が取れるのである。

また、情報セキュリティスペシャリストとは異なり、

情報処理安全確保支援士試験合格者は、

IPA の Q&A
https://www.ipa.go.jp/files/000055473.pdf

にもあるとおり、登録の期限は存在しない。

よって、合格後すぐに登録しなくても、

登録が必要となった段階で登録手続きを行う

ということができるのである。

実際、私は、

・合格したけど登録しない

という選択をした。

現時点で、受験・合格したことによるメリットは享受しているが、

登録しないことによるデメリットは一切感じていない。

こういった選択もできることを踏まえ、

興味があるかたは、応募をやめるのではなく、

応募し、勉強して合格する

と言う所まで実施されるのがよいのではないかと思う。

登録したければすればよいし、したくなければしなくても何の問題もない。

こういった選択肢があることも踏まえ、

興味がある方にはぜひとも一度受験して頂きたいと思う。

平成 30 年春期試験まで後一ヶ月ちょっと。

既に応募した方は、当サイトの

情報処理安全確保支援士への道

なども参考にしていただければ幸いである。
*当日の雰囲気なども少しは分かっていただけるかと思う。

また、応募してないが興味をもたれた方は、

次回の秋期試験(7 月頃に申し込み開始と思われる)に

ぜひチャレンジしていただきたい。

なにはともあれ、この情報処理安全確保支援士制度が、

より有益かつみんなにメリットがあるような制度に

改善されていくことを、強く願って止まない。




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