いよいよ正念場か!? – 情報処理安全確保支援士 –


■いよいよ正念場か!? – 情報処理安全確保支援士 –

先日、IPA より、

情報処理安全確保支援士の登録者数

に関するプレス発表があった。

プレス発表
国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」
10月1日付登録人数は合計17,360名に
https://www.ipa.go.jp/about/press/20181001.html

前回までで 1 万人弱であったから、

今回だけで一気に 8 千人程度増えたことになる。

いよいよ情報処理安全確保支援士人気に火が付いたのか!?

こんなに増えたのだから、2020 年までに 3 万人なんて余裕では?

なんて思ってはいけない。

これで、いよいよ情報処理安全確保支援士制度は

正念場を迎えた、と思っている。

折角数が激増したにも関わらず、

なぜそう思うのか?

以下、その理由について、

私なりの考え方を記載する。



経過処置の終了

そもそも、今回なぜこんなに登録者数が増えたのか。

それは、

・経過処置対象期間の終了に伴う駆け込み登録

があったからだ。

これまで、情報処理安全確保支援士になるためには、

・情報処理安全確保支援士試験に合格し、登録する
・支援士と同等の能力を有するものとして認められる
*警察におけるサイバーセキュリティ対応業務従事者等

といった手段の他、前制度である、

・情報セキュリティスペシャリスト試験合格者
・テクニカルエンジニア(セキュリティ)試験合格者

に関しても、登録することで、

情報処理安全確保支援士となることができた。

ただし、これら前制度の試験合格者に対しては、

過去の試験合格をもって、無試験であっても

情報処理安全確保支援士に登録できる期限が決められていた。

具体的には、経過措置対象期間として、

平成 30 年 8 月 19 日

までに登録申請をする必要があったのだ。
*情報処理安全確保支援士制度になってからの試験合格者には、
*このような試験合格の有効期限は今のところ存在しない。

これを過ぎると、過去の試験合格をもってしても、

情報処理安全確保支援士試験

を再度受験して合格する必要がある。

このため、IPA も過去の試験合格者に対して

登録期限が迫っていることのはがき連絡を行ったりしていた。

その結果、

過去の試験合格者が駆け込みで登録した、

というのが今回急増した理由である。

なお、経過措置対象者は 49,105 名いたらしく、

そのうち、トータルで 15,018 名が登録し、

支援士となったとのこと。

およそ 1/3 が登録しているが、逆に言えば、

2/3 は登録していない、ということになる。

そして今回の登録をもって、今後、

旧制度における試験合格者は、

新制度における試験を再度受験し合格しない限り、

情報処理安全確保支援士になることはできない。

元々なりたい人であれば、経過措置対象期間内に

登録手続きを済ませているであろうから、
*わざわざ再試験を受けたいと思う人は別に受けているだろうし、

今後このような急増は見込まれず、

これまでの新制度合格者の登録によってしか

支援士数は増えない、ということだ。
*同等の能力を持つと認められるものは除くが、
*これが急増するのは国側の制度乱用となるため、
*あまり考えられない。

このため、今回急に増えたからと言って、

今後も同じように増えていくことはあり得ないのである。

むしろ、

登録する資格のある人 = (ほぼ)新制度での試験合格者のみ

となるため、そもそも登録資格を持つ人の母数が激減する。

よって、支援士となる人も、増えるどころか

急減するのが当たり前なのである。



これまでの支援士試験合格者と登録者の推移

また、今回の登録によって、

情報処理安全確保支援士の総数は

17,360 名

となっている。

しかしながら、その 87% 近くは、

旧制度の試験合格者

である。

逆に言えば、新制度になってから登録したのは、

支援士全体のうち、

わずか 13% 程度しかいない、

ということだ。

実際、過去の支援士試験合格者のうち、

試験合格直後に登録する人は、1/4 程度である。

2017 年春から始まった試験において、

合格者は毎回 2,500 人超いるが、

直後に登録するのは 600 人程度。

試験合格からしばらくたって登録する人もいるようだが、

当然のごとく直後に登録する人よりは随分少なくなる。

ということは、今後も一回の試験当たり、

800 人前後が登録すればよいほう、という形になる。

こういったことを考えれば、今後、

登録者数が発表されるたびに、

大体 800 人ずつぐらいしか支援士の数は増えていかない

ということが予想される。

今回の登録者数の 1/10 程度だ。

加えて、

過去最低を更新 – 情報処理安全確保支援士試験の応募者数 –

でも記載した通り、

そもそもこの情報処理安全確保支援士試験に

応募する人自体が減ってきている。

これは即ち、人気が全然上がってはおらず、

むしろ低下しつつあることを意味していると考えられる。

ということは、今後は登録者数自体も減っていくことが

考えられる。



まとめと今後の希望

これまで述べてきたように、

・今回で旧制度の登録資格保持者に対する経過措置が完了する
・新制度の試験合格者による登録は少なく、今後も減少が見込まれる

という二点から、

情報処理安全確保支援士制度はいよいよ正念場を

迎えることになったと思われる。

今回の駆け込み登録による登録者数増という手段が

なくなってしまった上、

新制度における試験合格者の登録者数も減り続けている今、

このままだと、情報処理安全確保支援士の数は

大きく増えないまま、下火になっていくことが想定される。

数を増やせばよい、という話ではないと思っているが、

維持費の高さやメリットのなさ等、

デメリットのほうが話題として先行している現状で、

さらに数も増えなくなっていく、となれば、

情報処理安全確保支援士を目指そうという人自体が

激減していくことだろう。

では、情報処理安全確保支援士という、

日本で初めての情報セキュリティに関する国家資格は

もうすたれるしか道がないのだろうか?

これから盛り返していくためには、具体的方法は別にして、

情報処理安全確保支援士という資格自体の魅力を上げる

ことしかないと思われる。

維持費を安くする必要は特にない。

維持費をはるかに上回るメリットを提供すればよいのである。

それが実現できれば、私のように、

・新制度下での試験は合格したが、登録していない人

などの登録が見込めるようになるだろう。

また、経過措置自体は終了してしまったとはいえ、

旧制度時に一度合格している人であれば、

・一旦合格しているから、今一度チャレンジしてみよう

という人も増えるはずである。

さらには、今までチャレンジしたことのない人も

増えると思われる。

これにより、日本の情報セキュリティ全体のレベルが

上がっていくことにつながると思っている。

資格自体の魅力を上げるためにはどうすればいいのか、

我々も考える必要があるが、経産省や IPA には

今一度真摯に検討してほしいと切に願う、今日この頃であった。




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